小学館のWEB漫画無料配信サイト、クラブサンデーで人気の『ポップコーンアバター』という漫画がここのところのお気に入りです。
ヒンドゥー系の神様の生まれ変わりであるアクティブきわまりない女の子のパートナーとなった男の子が主人公のバトル物で、下のリンク先でも言われてるように全体の雰囲気が良い。
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んでもって、人間&人外のバディ(=相棒、パートナー)物という設定からずんずん連想がさかのぼっていきまして、ここ20年ほどのサンデー系列における異種バディ物に背骨を通した名作として『うしおととら』があったねえ、と感慨にふけったしだい。(異種バディ物じたいは勿論それ以前にもあるだろうけど、とりあえず1990年以降の区切りとしてうしとらがあるね、というくらいの意味で)
そこでちょっと記憶を整理するためのメモがてら、サンデー本誌+αで、うしとら以降のバディ譚の系譜を記しておきます。
抜けがあるかもしれませんが、とりあえず歴史をつづるのに最低限必要な目ぼしいタイトルは以下で足りてるかと。
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『うしおととら』1990〜1996年
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獣の槍という、妖怪退治の武器の所有者になってしまった少年が、槍によって封印されていた凶暴な妖怪「とら」を相棒にしてさまざまな妖怪たちと戦ったり心をかよわせたり旅先であちこちの女の子たちに惚れられたりするホラーアクションコミック。数々の熱い展開から、「少年漫画の王道」の具体的な形として漫画史に刻まれております。
「とら」は大昔は人食いの化け物として恐れられた大妖怪ですが、主人公の潮が獣の槍でおどして悪さをしないようにおさえこみ、他の妖怪と戦うときに力を貸すよう言いつけます。「とら」はそれにしぶしぶ従って…・…という関係。
でも、「とら」は潮や他の人間たちとのかかわりのなかでじわじわ感化されていって、最後は人を喰う以外のところで「腹いっぱい」になるんですね。たいへん心に沁みるパートナーシップが描かれています。
「人外の相棒」の描き方としても王道を残したといえるでしょう。
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『犬夜叉』1996〜2008年
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で、『うしおととら』が終わってほぼ入れ違いのタイミング(うしとら最終回の5週後)で始まったのが、大御所・高橋留美子先生の『犬夜叉』。
平成から戦国時代へタイムスリップした人間の少女と半人半妖の少年のパートナーシップを描いた妖怪退治紀行です。
ふだんは、あばれんぼうな犬夜叉に対して、かごめちゃんはあたかも孫悟空をキンコジで抑制する三蔵法師のごとく「おすわり!」の一言で無理やり地に伏せさせる飼い主ポジションだったり、戦うための相棒だったりですが、それだけではなく、恋愛がらみのメロドラマ要素も組み込んであってなかなか機微の複雑なバディでした。、かごめちゃんは犬夜叉の死んだ想い人の生まれ変わりという設定なんですね。
うしとらの影響が直にあったというわけでもないと思いますが、これ以降の流れを考えると、男女パートナー物の魅力と問題点を考えるとっかかりとして系譜に含めておく必要があるタイトルだと思います。
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『金色のガッシュ!!』2001〜2007年
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雷句先生は藤田先生のアシスタント出身で、さまざまな部分にたいへん色濃く『うしとら』の血筋を引いた作品です。
魔界の王様を決めるため、人間界へ送り込まれた100人の「魔物の子」たち。彼らはそれぞれ一人の人間をパートナーとして、その人間の判断と助力によって魔法が解禁される。そうして100組のペアのバトルロイヤルの果てに最後まで勝ち残った魔物の子が次期魔王となれるのだ……というお話。
つまり、バディであること、人と人外のパートナーシップの追求が作品の根幹そのものに織り込まれているわけですね。
魔物の子はそれぞれ「自分はこういう王様になって、魔界をこうしたい」というビジョンがあって、人間のパートナーはその夢に共感してその実現を後押ししてやろうとします。
そのさいにユニークなのは、魔物たちがあくまで「魔物の子」……幼い心の幼い子供であるという点。
パートナーの人間は保護者としての役目をもたされるんですね。棚ボタでスーパーパワーをもらうわけじゃなくて、「面倒をみなくてはいけない」子供が転がり込んできたのを何の因果か拾ってしまい、その子にどう向き合い、どう監督責任を果たすかという、大人もしくは兄貴分・姉御分のドラマに投げ込まれるわけです。
そのあたりが、原則的に「猛獣を馴らした果ての交流」であるうしとらや犬夜叉に対して本作のもつ独自性ではないかと。
ペアが100組もあるので、それぞれ個性的な関係を築いているのが見所。
擬似親子、擬似兄弟のような関係だったり、師弟関係めいたペアもあり、なかには男女ペアで種族を超えた恋をしている者たちもいたり、はては「悪い保護者」もいます。自分の拾った魔物の子をただの道具とみなし、魔法を使って私利私欲を満たそうとするタイプ。とにかく100組100様の、さまざまなバディの形が描かれていくのです。
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『あやかし堂のホウライ』 2004〜2006年
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さて、この系譜を追っていくうえで盲点に入りやすいタイトルがこちら、『アヤカシ堂のホウライ』です。
ガッシュと同じく藤田組のアシ出身作家によるものですが、サンデー超で始まってから、サンデー本誌でちょっとだけ集中連載、さらにまたサンデー超に戻って完結という飛び石のようなあつかいだったため、なかなかまとまった作品としての認知を雑誌読者にもたらすことができなかった惜しまれる経緯があります。
主人公は小学四年生の女の子で、とある事情から、わけありな仙人たちのふきだまるアヤカシ堂というあやしいお店で下働きすることになります。で、そこで過去に罪を犯した仙人の少年ホウライと共に、妖怪封じのお仕事をする、というお話。
アヤカちゃんは特殊能力などは全くありません。ひたすら最初から最後まで「弟思いでしっかり者の利発な少女」でありつづけるのみです。そして、そんな特別な力などない彼女が自分の気持ちのせいいっぱいで生きて、それがホウライや他の仙人たちに影響を与える、だからこそ素晴らしいのです。
『金色のガッシュ』が藤田組における少年漫画の直球を継いだ傑作とすれば、この作品は少年漫画の変化球の傑作といえます。
アヤカちゃんとホウライのパートナーシップは出だしからの大筋ではうしとら風味の犬夜叉寄りですが、最終的にはそのどちらでもないところに着地します。母性+ロリって泣けるよな……!(笑)
当時、お友達が「これは藤田先生には描けないな(褒め言葉)」と評していたのが記憶に残っています。
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『聖結晶アルバトロス』 2006年
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みんなー覚えているかー
若木先生はバトルもので連載デビューしたんだぞー
神知るにも端々の描写でそのアクション筋の引き出しの名残がうかがえます。最近の巨大化女の捕縛シーンの見栄えある流れとか。
本作のあらすじや設定その他はWikiを参照。
主人公とヒロインはパートナーといえばまあパートナーだけど、厳密には「騎士とお姫さま」話型としてのイメージが濃厚なので、相棒物といえるかどうかはちょっと要検討かな。
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『妖逆門(ばけぎゃもん)』 2006年〜2007年
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アニメ版と同時進行で漫画が展開された作品。
日本をひっくりかえしたような異世界「逆日本」で妖怪によって催されるゲームのプレイヤーとして招かれた少年少女たちのバトルを描きます。カードバトルなどの商品展開もしたホビー系タイトルですね。
“ぷれい屋”である人間の少年少女には、一人に一体、“個魔”というナビゲーション役の妖怪がついており、さまざまなパートナーシップが描かれました。
本作の原案に藤田和日郎先生が関わっていて、劇中には『うしおととら』に出てきた妖怪がパラレル的に登場したり、デザイン関係で金田達也先生がクレジットされていたりと、うしとらファンをニヤっとさせる要素がちりばめてありました。
主人公と彼の個魔であるフエとの関係も、うしとら的な味わいのあるものだったことも見逃せません。
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『呪法解禁!!ハイド&クローサー 』 2008〜2009、のちWEBにて完結
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これは直接短期的にはガッシュの血を引いた作品といえるでしょう。
呪いの人形をパートナーにした呪術者たちが戦うお話で、ジョジョのスタンドとは違って、人形に明確な人格があって、きちんとバディ物としての心理的な交流があります。
主人公のパートナーとなる人形はじいちゃんの残したもので、ぱっと見は可愛らしいクマのぬいぐるみだけどひじょーにダンディでワイルドなアニキ気質で、主人公に男の道を教え導きます。
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『神のみぞ知るセカイ』 2008年〜連載中
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最近アニメ化も決定した、異色の学園ファンタジー。
あらゆるギャルゲをきわめあらゆるヒロインの攻略パターンを熟知した超ギャルゲーマー、通称「落とし神」である主人公のもとに、地獄から死神っ子がやってきて無茶な頼みをしてくる。女の子の魂のスキマに入り込んで怪事件を起こす悪い魂を捕獲したい、女の子を惚れさせれば悪い魂が外に出てくるから口説き落としてもらいたい……というのだ。
果たしてギャルゲーの攻略理論はリアルに通用するのか? 落とし神の頭脳がフル回転! みたいなお話。
現時点での神にーさまとエルシィのパートナー関係は、探偵物における名探偵とずっこけ相棒のようなものだと考えると分かりやすいのではないでしょうか。
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『トラウマイスタ』 2008〜2009年
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トラウマをスタンドみたいに具現化して使役する能力者たちのお話で、力の根源がトラウマなのでヤバいやつばっかりのヤバい漫画でした。
前半中半はいまいちパッとしないこともありましたですが、終盤、ヒロインがえらいことになってしまって主人公が狂気的な復讐者と化す怒涛の展開と、それをつきぬけた果ての切なくもすがすがしいラストで評価が急上昇しました。
劇中でアートマンと呼ばれるスタンド相当のものには人格があるので、ハイド&クローサーと同じ基準で当リストに入れることにしました。
あと、主人公とヒロインとの関係もまあ人間-人外の相棒関係といえなくもない、かな?
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『超弩級少女4946』 2009年〜連載中
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巨人娘がヒロイン! しかも嫁になる気満々で主人公と彼氏彼女の関係に!
という、つっぱしった設定の本作ですが、ドラマの運びがけっこうウェットなのでしみじみと読める作品になっております。巨大ゆえの苦悩も、読んでてキツくなりすぎないコントロールのうえで描いてあるし。
いちおうバトルでは連携的なことをする方向のようですが、とにかくまず恋愛関係ありきなので、これを相棒のドラマといえるかどうかは要検討。
(何か目的があることで「いっしょに同じ方向をみて進む」パートナーシップが生まれるわけですが、恋愛は目的がない……というかお互いを目的化してお互いを見つめて留まろうとする、という根本的な食い合わせの問題がある)
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『ポップコーン・アバター』 2009年〜WEB配信にて連載中
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ちうわけで、やっとこさ当リストのきっかけとなった本作へたどりつきました。
神様の生まれ変わり、という設定の特性上、序盤で主人公を巻き込んだり励ましたりするヒロインのアイデンティティがどこまで人外的でどこまで人間としての感性をもってるのか分からなくて不安にもなったのですが、お話が進むにつれて彼女のヒトとしての心のひだがじんわり描かれてきて、とても可愛く思えるようになってます。
また「なぜヒロインは主人公を選んだのか、他の誰かではいけないのはどうして?」という一番モヤモヤを生みやすい問題点にもちゃんと後で答えを示してくれててそつがないです。そこはパートナー物としてすげぇ大事なポイントだよな!
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『マギ』 2009年〜連載中
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去年からのサンデーの新連載陣のなかでアタマひとつ抜けたところに陣取った、アラビアンファンタジー漫画。
特殊なダンジョンを攻略して魔法のアイテムを手に入れた人間たちと、彼らの中から王の資質をもつ者を見つけ導く魔法の使い手「マギ」たちをめぐる物語。
いずれ王になるべきものを導く、という仕立てから『金色のガッシュ』との相違点でみると面白いことになりそうな設定がほのめかされています。
ガッシュの場合は「魔王」を目指す人外がいて、その導き役を人間が託されるという関係ですが、マギの場合は超自然的な存在のほうが「人間の王」を見出すというつくり。背中合わせで逆なんですね。
さてさて、いかがでしょうか。
ひとくちにバディものといっても性別や目上目下のパラメータしだいでかなり方向性に違いがでてくるものだなーという感じですね。
しかしまた、それでいて、総じてバディ物はどの方向にしても、異質なものが組み合わされるときに散る火花の美しさというものが詰まっていて、異質な他者同士をつなぎとめるものは何か、また断ち切ってしまうものはなにか、などなど、リアルにも在る、ひととひとのかかわりあいかたをもっとも端的に象徴させているように思え、個人的にはそこに魅了されるのであります。
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この「異形と少年(or少女)」の話型って、ジャンプとかマガジンとか他の雑誌でも秀でた作品がいっぱいあって、がっつり語ろうとするとちょっとキリがないですよねー(笑)
というわけで、今回はあくまで各論的にというつもりで、うしとら以降の少年サンデー系列作品にしぼりこんで一覧化してみたしだいであります。
おしまい。
「人と機械(アンドロイドとか)」というパターンがないんですね・・・・・・。SF斜陽のせいか科学離れのせいか。
こうしてみると「寄生獣」の設定は実に秀逸ですね。「人外のパートナーでありながら自分の一部でもある」という。
あ、「美鳥の日々」はどうでしょう。
Posted by: KOS: 2010年06月12日 00:13パートナーが人間以外の場合、人間は弱点として狙われまくった挙句
「この先を戦い抜くには、俺が強くなる必要がある」みたいな感じで、人間の限界まで強くなるように無茶な修行とかさせられるのがパターンとしてあるような気がします。
>「人と機械(アンドロイドとか)」というパターンがないんですね・・・・・・。SF斜陽のせいか科学離れのせいか。
一応「ARMS」という例がありますが
これはナノマシンだの反物質だのというSFっぽい言葉を散りばめただけで、中身は単なる超能力マンガでしたね…
とある魔術のインデックスをバディ物で語ると
悲惨しぎるよね・・・
主人公が禁書の力を使う形になるはずなのに
主人公がイマジンブレイカーのおかげで禁書が使えず、インデックス本人も使えないから
影が薄くなるばかりだw
ファー様もこのカテゴリーに入るのでしょうか。役に立っていないようで、記憶を無くして引っ込み思案になっていた深田君が外に出て行くきっかけを作ってますけど、その深田君は途中から作戦終了を待たずして逃げられまくり。
Posted by: 猛魂: 2010年06月20日 13:50うえきの法則は入らないんですか?
テンコがいるけど・・・
ARMSの何処が超能力漫画なのか小一時間問い質したい
Posted by: 名無しさん: 2010年06月22日 18:25>KOSさん
「美鳥の日々」あれはかなり特殊でしたねえ。同居ラブコメの変形ともみなせるし。
>名無しさん: 2010年06月12日 00:24
うしとらの潮くんもそこで一度悩みを抱えましたね。
>名無しさん: 2010年06月12日 16:52
皆川漫画だと、スプリガンの優とジャン・ジャックモンドは相棒的な関係性だったなーと。
>インデックスこの系譜で語ると さん
性格とか立場とか能力が相反するものを抱えるのは相棒ドラマでは定番ですけど、噛み合わせってのは難しいものですねぇ
>名無しさん: 2010年06月20日 14:11
テンコの場合マスコット色が強いのと、機能的にはどっちかというと植木にとっては“オプション”って感じなんですよね〜 ちょっと微妙な線引きではありますが。
>名無しさん: 2010年06月22日 18:25
主人公達はSF武装で、他のキャラの中に何人か超能力者がいるという構成でしたね、厳密には。